新薬開発をAIで早く。

新薬開発には多額の資金と、厚生労働省への承認申請まで9〜17年という長い期間がかかる。その新薬開発の期間を人工知能(AI)を使って効率化する技術の開発が進んでいる。

がんや認知症などの新薬候補になりそうな化合物の特徴をAIが学習して絞り込み、効果や安全性にかかる試験などの時間を大幅に短くする。最大で3割弱の開発期間を短縮し、開発費の削減にもつながると期待される。

アステラス製薬はがんなどを治療する抗体医薬の薬効に関わる性質を、抗体をつくる前にAIで予測する技術を開発。エーザイは新たに設計した低分子化合物の薬効を調べる実験をAIで迅速化、がんや認知症薬の開発に活用する。東京工業大学では病気に関わる分子と強く結合する化合物をAIで探す技術を開発した。抗がん剤の効き目などに関わる既知の標的分子と、約4万種類の化合物の結合力をAIが学習。その後に未知の化合物との結合力を、1割以上の高精度で予測し1年後の実用化するとのこと。

近年は新薬開発の難易度が高まり、開発期間が延びている。化合物と強く結合する一部の標的分子などを狙う開発が容易な医薬品が出尽くしつつあるためだ。AIの活用は期間短縮に加えて開発成功率の向上、費用抑制にもつながる。

 

出典元:日本経済新聞 2018年8月19日朝刊