相続、配偶者を優遇へ。

法務省の諮問機関「法制審議会」は、故人の配偶者が住まいや生活費を確保しやすくなることを柱とした民法の改正要綱案をまとめ、通常国会に提出する。相続税法の大幅な見直しは約40年ぶり。

①配偶者の居住権の新設・・・ 住宅の権利を所有権と居住権に分割。配偶者は居住権を取得すれば、自宅に住み続けることができる。

②生前贈与の自宅は遺産分割の対象外に・・・結婚して20年以上の夫婦で、配偶者が自宅の生前贈与を受けた場合、自宅は相続人が分け合う遺産の総額から除外される。

③相続権のない親族に配慮・・・相続人以外の親族が介護などをした場合、相続する権利がなくても、遺産の相続人に金銭を請求できる制度も新設する。この場合の親族は、6親等(いとこの孫ら)以内の血族と、3親等(おいやめい)以内の配偶者が相当する。義父を介護してきた「息子の妻」などを想定している。現行制度にも「寄与制度」はあったが対象は相続人に限られてきた。

④故人の預貯金を引き出しやすく・・・「遺産分割」が終わる前でも、生活費や葬儀代の支払いなどのために故人の預貯金を金融機関から引き出しやすくする「仮払制度」の創設も盛り込んだ。2016年12月の最高裁判決で、それまで法律が定めた一定の相続割合で自動的に分けられるとされてきた預貯金も遺産分割の対象に含まれるようになり、現行制度では遺産分割の協議が終わるまで預金が引き出しにくいと、不便だった。